質問1|おにぎりに使う鮭の種類を教えてください

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おにぎり屋さんで使われる鮭には、実にさまざまな種類があります。まずは「鮭そのものの種類」を知ることが、美味しい鮭おにぎり作りの第一歩です。ここでは代表的な鮭と、その特徴、おにぎりに使ったときの魅力を丁寧にご説明します。

秋鮭(天然・国産)

秋鮭は、日本の川で生まれ、海へ下り、約4年後に再び生まれた川へ戻ってくる天然鮭です。まさに日本の風土とともに育った「純国産の鮭」です。

かつては東北地方でも多く水揚げされていましたが、近年は海水温の上昇により漁場が北上し、現在は主に北海道で漁獲されています。特に2025年は大不漁となり、今後の漁獲量を心配する声も増えています。

味わいは脂が控えめで、あっさりとして上品。昔から日本人が食べてきた味であり、鮭おにぎりに使うと「日本の味」「懐かしい味」と感じていただけます。

以前は、内臓を抜き、頭付きのまま丸ごと塩に漬け込む保存方法が一般的でした。この製法では、時間とともに塩がなじみ、味が変化していくのも特徴です。

現在は、二枚おろし・骨抜き加工を行い、塩分を一定に保つ方法が主流となり、年間を通じて安定した味を提供できるようになりました。

味の変化を楽しむ伝統的な製法を選ぶか、一定の味を保つ現代的な製法を選ぶかは、お店の考え方次第です。詳しく知りたい方は、ぜひ直接ご相談ください。

紅鮭

紅鮭は、身の色が非常に濃く、鮮やかな赤色をしているのが特徴です。白いご飯とのコントラストが美しく、見た目から食欲をそそります。

この赤色は「アスタキサンチン」という成分によるもので、活性化を助ける栄養素としても知られています。そのため、紅鮭は「体に良い鮭」「元気になる鮭」と言われることもあります。

当店では、紅鮭を大きく2種類に分けてご用意しています。

・超辛口紅鮭(通称:ぼだっこ)

東北地方、特に秋田で親しまれてきた非常に塩辛い紅鮭です。少量でも強い塩味があり、ご飯との相性は抜群です。

この鮭をおにぎりに使う場合は、ほんの少量を具として入れます。鮭から染み出した塩がご飯全体に広がり、「鮭を食べる」というよりも「ご飯が驚くほど美味しくなる」感覚を味わえます。

昨年はSNSを通じて「ぼだっこ弁当」が話題になり、再び注目を集めています。

・辛くない紅鮭

塩分を抑えた紅鮭は、身をたっぷり使えるのが魅力です。おにぎりの中に赤い身が広がり、まるで花が咲いたような華やかさがあります。

鮭そのものの旨味をしっかり味わいたい方におすすめです。

また、辛い紅鮭と甘い紅鮭を混ぜることで、ひと口ごとに味の表情が変わるおにぎりを作ることもできます。一つのおにぎりで二つの味を楽しめる、満足度の高い仕立てです。

村上の塩引き鮭(新潟県)

新潟県村上地方には、江戸時代から続く独自の鮭文化があります。その中で受け継がれてきたのが「塩引き鮭」です。

塩引き鮭は、ただ塩漬けにするだけでなく、塩を引き、干す工程を加えることで旨味を最大限に引き出します。干物を想像していただくと分かりやすいでしょう。水分が抜けることで、味がぎゅっと凝縮されます。

この鮭は、ご飯のお供としてはもちろん、酒の肴としても重宝されてきました。つまり、それだけ「旨い鮭」だということです。

おにぎりに使うと、他店にはない個性とご馳走感を演出できます。少し特別な鮭おにぎりとして、お店の強いアピールポイントになります。

銀鮭(養殖)

銀鮭は養殖の鮭で、安定した供給量と脂ののりが特徴です。身質はやわらかく、しっとりとしており、幅広い世代に好まれます。

最大の特徴は、塩分を自由に調整できることです。無塩・甘塩・中辛・辛塩まで用途に合わせて仕立てることができるため、お店の味を作りやすい鮭と言えます。

おにぎりにすると、脂のコクでご飯がまとまりやすく、冷めてもパサつきにくいという利点があります。初めて鮭おにぎりを扱うお店にも向いています。

まとめ

おにぎり屋さんを始める方、すでに営業されている方が、さらに美味しい鮭おにぎりを作りたいと考えたとき、まず見直していただきたいのが「鮭の種類」です。

鮭の種類によって、味・見た目・価格は大きく異なります。どの価格帯で、どんなおにぎりを提供したいのか。その設計から一緒に考えていくことが大切です。

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