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鮭のおにぎり100選 no.41〜50

鮭のおにぎり100

“鮭おにぎり”no.41〜50までの10レシピをまとめました。
今回は初秋編。秋になると、市場に出回る生鮮品の顔ぶれがガラリと変わるはずなのに……
今年はサンマが不漁。9月から解禁になる秋鮭漁も、序盤こそ勢いづいたものの、いまひとつ盛り上がりません。
それでも、八百屋さんには色どりも美しい菊や、様々な芋類が並び、鮭と相性が良さそうです。
残暑とはいえ食欲が戻ってくる、楽しい初秋です。


2019年 初秋10

vol.41 “もってのほか”(菊花)と時鮭のおにぎり
 
9月9日は、重陽の節句。
昔、中国では、奇数を重ねた月日に陰が生じるとのいわれがあったそうです。
そこで1月7日(七草)、3月3日(桃)、5月5日(菖蒲)、7月7日(笹)、9月9日(菊)の5節句に、供物を用意して邪気を祓ったという風習が今日に伝えられています。
 
最近の9月初旬は残暑が厳しく、まだ朝顔が満開です。
かつては陰暦でしたので、重陽の節供の頃は晩秋で、菊が満開だったに違いありません。
それでもこの時季、市場の八百屋さんには菊の綺麗な色が目立ちます。
料亭などが季節感を演出するために菊花を買い求めるのでしょう。
 
場外の八百屋「藤本」さんに問うと、「ああ、“もって菊”ね」と言います。
山形方面産の菊は「もってのほか」という愛称で呼ばれ、
実際、茹でて甘酢に漬けると、シャキシャキとした歯ごたえも、清らかな味わいも、それはもう、もってのほか美味いわけです。
 
今回のおにぎりでは、前の晩に甘酢漬けにした黄と紫の二色の菊を、きっちり絞ってさっくり混ぜました。
やさしい花の味わいにマッチするのは、やさしい味の時鮭です。
 



vol.42 照り焼鮭と酢橘(すだち)飯のおにぎり
 
残暑が厳しいので、いつもは美味しい照り焼きも、ちょっと重い…。
そんな日は、酢橘をプラスすれば、鮭はもちろん脂の多いサバなども、美味しくいただけます。
 
酢橘は、隅田川を挟んで築地市場の対岸、勝どき産!?
魚屋さんが多く住む、我らが長屋の路地で、誰かがとり落とした種が発芽し、
丹念に毛虫を取り除いて、大事に育てているうち、数年経てたくさん実がなっています。
 
この酢橘を小さくカットしてご飯に混ぜてみました。
照焼鮭のまったり感に、酢橘のすっきり感が見事にマッチし、見た目もキュートなおにぎりですが、いかんせん、酢橘は皮が硬いのです。
 
「摺りおろしてみれば?」スタッフのひと言で、再度チャレンジ。
果肉はしぼり、皮は細かく摺って、少量ご飯にサッと混ぜてみました。
「これは、良いね!」okサインが出ました。
隠し味ですから、大量に混ぜてはいけません。
 



vol.43 葡萄の葉包みチャレンジ紅鮭おにぎり
 
市場のちょっと楽しい八百屋さん「米金」さんで、葡萄の葉を買いました。
聞けば、信州では葡萄の葉包の押し寿司が、郷土料理として伝えられているとの事。
要領は柿の葉寿司と同じで、生葉で包んで重しをかけて、味をなじませるそう。
押し寿司のみならず、ロールキャベツ等の肉料理にも利用し、ほのかな酸味が肉に合うそうです。
 
さて、鮭の押し寿司、蒸し寿司に挑戦してみようと思い立ちました。
酢飯を作り、一口大に握って焼鮭のほぐし身を載せ、葡萄の葉できっちり巻いたら、蒸し器に並べて蒸します。
葉ごと食べることを考えて、15分くらい蒸すと…。
 
緑の葉が、こんな綺麗な葡萄色に!
葉脈がより濃い紫に発色するものと、緑のままのものの、2種類ができました。
赤葡萄と白葡萄の2品種の葉が混在していたのかもしれません。
 
さて、味は?
ちょっと蒸し過ぎで、ご飯が柔らかくなってしまいました。
葉は食べると酸っぱく、紅鮭おにぎりには違和感があります。
鮭はルイベのように薄切りにして、葉は蒸さず、包むだけで良いかも。
来年、新葉が出た頃に、再度、チャレンジしてみたいと思います。
 



vol.44 ホットスモークサーモンのおにぎり弁当
 
BBQシーズン到来!ですが…。
仕事がアウトドアなので、オフはインドア。
キッチンにて鮭スモークに挑戦します。
 
厚手のフライパンに桜木のスモーク用チップを敷き詰めます。
スティックシュガー1本・緑茶大さじ2杯加えてかき混ぜ、強火で加熱し始めます。
3分ほどでスモーキーな香りが立ちのぼってくるので、少し混ぜてムラをなくし、
上に網を載せて鮭の切り身を載せ、蓋をして10分中火で加熱。
そのまま、火を消して10分おきます。
とりだせば、ホットスモークサーモンの出来上がり!
 
火加減と時間は、素材や器具の大きさに合わせて調整してください。
鮭の塩加減は、甘塩・中塩・辛塩のどれでもOK!
甘塩はバゲット&モルトウイスキーに合い、辛塩はお茶漬けに合います。
 
鮭と一緒にサバの干物・プロセスチーズ・ゆで卵など載せて、レッツ・スモーク。
お弁当箱に詰めれば、気持ちはアウトドア!
 



vol.45 海峡サーモンでおにぎり
 
“海峡サーモン”を初めて食べました。
津軽海峡の荒波に揉まれて育ち、身が程よく締まっているという前評判を聞き、一度食してみたかったのです。
 
鮭食の歴史は、もちろん天然鮭に端を発するのですが、戦後、養殖鮭の改良が進み、また近年、ノルウエーやチリからの養殖鮭輸入量が増大し、今や子どもたちが大好きな鮭といえば「サーモン」=養殖鮭を指すほどになっています。
 
当店の品揃えも時代につれ、変化してきました。市場に天然鮭しかなかった戦後復興期、養殖の銀鮭に力を入れた昭和の後半を経て、再び天然鮭の品揃えに回帰し、今日に至っています。
天然鮭は天の恵み。種類も加工法も多岐にわたり、季節や年ごとに異なる味に興味は尽きず、夢中になって天然鮭を追いかける年月を積み重ねています。
 
ここ数年は、秋鮭・時鮭の不漁が続き、また漁業を巡る日露の綱引きで、紅鮭の入手が以前のように簡単でなくなるなど、不安定な状況が続いています。天然資源の枯渇が取りざたされる中で、鮭もまた例外ではなく、私達は、天然魚を望めば存分に食べることができる最後の世代なのではないかと思うようになっています。
 
そんな状況下で、近年、注目されているのが “ご当地サーモン”です。
信州サーモン、宮城サーモン、讃岐サーモン…日本各地で、養殖鮭生産の取り組みは盛んです。私は鮭を扱う業者のひとりとして、その味を、育てる過程を、知りたいと思う様になりました。
 
海峡サーモンの山漬けを食べて、美味しいと思いました。
その理由を紐解くために、今月、青森を訪ねてみようと思います。
 



vol.46 こぼれいくらと鮭のおにぎり
 
いよいよ秋本番!となれば、いくら醤油を仕込む時季です。
北海道産秋鮭の生筋子を二腹購入。
ボウルにざるを載せ、その上に皮を上にして載せ、ほどほど熱い湯をかけます。
みるみる皮が凝固しますので、ボウルの湯の中で、ほぐしつつ皮を取り除き、粒のみザルに開けます。
その間の作業は手早く行い、すぐに煮切ったタレに漬け込みます。
タレは、醤油1/4カップ・酒1/4カップ・みりん1/4カップを沸騰し,
煮きってから氷水で冷やし、いくらを加えて冷蔵保管します。
1時間くらいでイクラがタレを吸ったら、ザルに開けて余分な汁は切り、少し味をなじませたら出来上がりです。
 
鮭は秋鮭。
スタンダードな鮭おにぎりに、ルビーみたいないくらをタップリ載せて!
秋ですねぇ…。
 



vol.47 里芋と紅鮭のおにぎり
 
秋到来。満を持して、里芋のおにぎりが登場。
簡単と思いきや、3回の試作を経ての完成です。
 
1回戦:里芋をかなり細かく刻んで、生のまま炊きあがり直前に加えて蒸らしました。→芋のねっとり感が出ず失敗!
2回戦:里芋を揚げて、ご飯に混ぜました。→油っこさがおにぎりに合わない!
3回戦:里芋を適度に小さく刻んで、お米と一緒に炊きこむ。→成功!
 
3日連続、里芋ご飯ですが、飽きません。
主張しすぎない食材の素晴らしさです。
もともと、塩味が合うお芋ですから、塩鮭との相性は抜群!
ちょっと絡めの紅鮭を、炊きあがりに混ぜました。
 
実りの秋…収穫の秋…食欲の秋…!
鮭おにぎり新作が、止まりません!
 



vol.48 さつま芋の昆布出汁鮭おにぎり
 
栗(九里)より(四里)うまい十三里…
日本橋から川越までが十三里だそうで、江戸っ子が大好きな川越のさつまいもを、親しみを込めて十三里と呼んだと言います。
 
前回の里芋に続き、さつま芋のおにぎりも意外に難しく、試作三回目にして完成です。
一回目:さつま芋を輪切りにし、さらに細かく刻んで、炊飯器で炊けたご飯の上に投入。保温のまま蒸らし、30分後に焼き鮭を加えて、さっくり混ぜる。
→チョットさつま芋が固め。さつま芋の皮を剥くべきか?だしも必要か?
 
二回目:さつま芋は皮を剥いて刻む。かつおだしでご飯を炊く。
→さつま芋は皮を剥く必要がない。だしの味に鮭が負ける。
 
三回目:昆布だしを使う。さつまいもの皮は剥かない。炊きあがり五分前に細切りしたさつまいもを投入し、炊きあがりに鮭を合わせる。
→結果、成功です。
 
昆布の吹田商店さんに、芋は昆布出汁が合うと聞きました。確かに、上品な仕上がりに。鮭との相性も抜群です。
 



vol.49 落花生・クコの実・秋鮭・もち米混おにぎり
 
市場の楽しい八百屋さん「米金」さんで
「生の落花生とご飯を炊き合わせると、ご飯が薄紫に染まって綺麗よ!」
と言われたので、早速、炊きました。
ワクワクしながら炊きあがったばかりの釜をあけると
残念!
ご飯は真っ白なまま、ピーナッツも真っ白です。
 
まあいい!
再チャレンジする際に、クコの実を加え、もち米と米半々で炊いてみました。
秋鮭は中塩で、サイコロ状に切って焼いたものを加え混ぜます。
もっちりしたご飯の弾力が、ピーナッツの歯ごたえに合います。
中華風、ご飯に少し醤油を加えても良かったかもしれません。
 
松の実&レーズンでも、鮭と相性が良さそうです。
秋は実りの季節なので、賑やかに具を複数混ぜて、楽しみたいものです。

 



vol.50 利平栗と時鮭のおにぎり
 
私にとって贅沢というのは栗のためにあるような言葉で、
栗ご飯は年に一度なので、ケチらず高い栗を買います。
 
今年、藤本商店で買った利平栗は熊本の名産品で、お値段もなかなか。
コクと甘みがあり、実が詰まった、これぞ “ザ・和栗”です。
 
この逸品を、包丁でひとつづつ剥いて、さらに薄皮も剥いて、ご飯にそのまま炊き込めば、間違い無しの美味しい栗ご飯に仕上がります。
炊くときに、日本酒を少々振るように加えます。
炊きあがりに塩鮭を加えるので、炊くときに出汁や塩は加えません。
 
合わせるのは、鮭も高級鮭の時鮭。
上品な魚の脂が、栗ご飯の風味を損ねません。
 
ホウズキも紅く色づき、そろそろ秋たけなわです。